理事長メッセージ

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東京都公立大学法人
理事長

山本 良一

東京都公立大学法人は気候と環境の非常事態などの問題解決に全力で取り組み、持続的発展が可能な社会の実現に貢献することを目指します。

 皆様、東京都公立大学法人のホームページをご覧いただきありがとうございます。
本法人は2大学(東京都立大学と東京都立産業技術大学院大学)と1高専(東京都立産業技術高等専門学校)を運営しており、2005年首都大学東京の開学に合わせて設立されました。2020年4月より「東京都公立大学法人」と名称を改め、新たなスタートを切っている中、私は島田晴雄理事長の後をうけて着任しました。

 ご承知のように、世界は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大変な社会的かつ経済的打撃を受けております。世界各国で緊急事態宣言が発出され、ワクチンや治療薬の開発と市民の行動変容が急務となっております。同時に、人為起源の温室効果ガスの大量放出による地球温暖化が進行し、人類は毎年のように異常気象に直面しております。既に世界33ヵ国の1860を超える自治体と14の国家が気候非常事態宣言を行い、パリ協定の1.5℃目標を守るために、2050年までにカーボンニュートラルを目指して社会の大変革に乗り出しております。最近の研究では、2035年までに夏の北極海氷は融解してしまい、温暖化が加速すると予測されており、人類は今や重大な岐路に立っております。このような世界情勢を受けて我が国では、気候非常事態宣言や「2050年までにCO2排出実質ゼロ」を表明した自治体数は増加傾向にあり、東京都においても気候非常事態宣言をすると同時に、具体的な行動を起こすことを提起し、2019年12月に「ゼロエミッション東京戦略」を公表しました。2020年10月には、この気候危機を突破するため内閣総理大臣が「2050年カーボンニュートラル」を表明し、同年11月に衆参両院で気候非常事態宣言が可決されました。

 人類が新型コロナウイルスのみならず、気候と環境の非常事態に直面するこの時にあたって理事長の職を拝命し、私は身も心も引き締まる思いです。本法人においても、2050年カーボンニュートラルの目標を掲げ、それを法人運営と教育研究に反映させる予定です。また、新型コロナウイルスにも二酸化炭素にも国境はなく、このグローバルな問題の解決にはグローバルな対応が必須です。したがって、国内外から優秀な学生や研究者の確保に努め、グローバルな視点で、パリ協定やSDGs(持続可能な開発目標)の達成という人類共通の課題に挑戦していきます。
 設置者である東京都のシンクタンクとしての役割をこれまで以上に果たし、東京に根付きながらも、世界に向かって開かれた学校として、持続的発展が可能な社会の実現に貢献したいと考えております。

2021年4月
山本良一